本と音とそれから語学、私ブログ。

自分の思いを一つ一つ紡いでいく。

二人の「ハル」

こんにちは。

提出物を出しに

久しぶりに大学構内を歩きましたが、

積もっている雪の厚さがえぐいです。

足をとられるは、滑りかけるは。

「長靴を買わなあかんな・・・」と思いながら

二月の中旬を迎えているペラです。

 

前回、オードリー・若林さんの作品を

にやにやしながら読んでいたお話をしました。

 

そのあと、路面の雪が解けて

べちょべちょになっていることお構いなしに

文庫本コーナーを徘徊しに

近所の本屋さんに行きました。

 

そこで購入した三冊の本のうち、

一冊目に読んだ本の感想文を書きます。

 

うーん、きちんと感想文になるか・・・

結構、哲学的な話だったからな・・・

頑張ります!

 

# 蟻の行列

「出会うべきことに出会うことが出来る世界」

 

人間は生まれた瞬間から

そんな世界に放り込まれるのだと思う。

 

自分の軌跡の中で必ず、

奇跡の出会いをするように

この世界はできているのではないだろうか。

 

本を閉じて最初に感じたことは

そんなことでした。

 

『ふたつのしるし』(宮下奈都)

ふたつのしるし 宮下奈都 画像 に対する画像結果

ふたつのしるし 宮下奈都 画像 - Bing images

 

2011年3月11日

二人のハルは出会います。

 

この日は世界中が日本のことを

思う日となりました。

 

 

生きていきにくい

 

そんな世の中だと叫ばれる今日。

 

私たちはどれだけその人の本心を知ることが

できているでしょうか。

 

狭い世界に閉じこもって

その世界がすべてだと思っていた

中学時代。

 

この本に出会っていたら

私はもう少し、学校という空間を

楽しむことが出来ていたかもしれません。

 

英語の授業のためだけに朝早く起き、

終礼の挨拶と同時に

教室を去る。

 

そんな一年を過ごしていた中学二年生の時。

 

何とか生きていくことだけで精いっぱい。

 

静かに授業を受けている人がいるにも関わらず

授業中の八割方

「静かにしろ!」という声が響き渡る

毎日の授業。

 

理不尽ってこういうことか

初めて感じた時でした。

 

真面目がバカを見る世界って

このことだな、ということも

初めて知りました。

 

そんなクラスを

半ばから諦めていただろう

担任とも気が合うわけがありません。

 

十九年間の人生の中で、

最も大人という存在

厄介なものと考えていた時でした。

 

 

そんなとき、

そんなクラスに嫌気がさした同級生が

クラスに来なくなりました。

 

私はそんな彼女がとても勇敢に思えたのです。

そして、とてもうらやましくもありました。

 

 

ある時、

たまたま用事があり、

その子のもとを訪ねる機会がありました。

 

小学校からの同級生も

その場にいたので三人で話をしていたのですが、

何も特別なことはありませんでした。

 

変わったことと言えば、

教室にいるときよりも

はつらつとしていたことくらいです。

 

そして、この時に

健康観察でその子の名前を呼ばなくなった

担任を気持ち悪いと思いました。

 

そして、

とてつもなく奇妙な世界

私は迷い込んでしまっている。

 

そう気がつかずにはいられませんでした。

 

その後、進路希望調査の用紙とともに

一枚の紙が配布されました。

 

私はその用紙にあった二つの欄に

こう書き込みました。

 

【目指している職業】

 

養護教諭

 

【なぜ、それになりたいのか】

 

世間の敷いたレールから外れて

新しい道を開拓する子たちの

手助けをしたいから。

 

 

いつも行列からはみ出すやつは、

いざという時のための人間なんだ。

引用:ふたつのしるし(宮下奈都)

 

#あとがき

私は中学の時に

奇跡の出会いをすることができました。

 

出会うべきものは

その人がそうだと気づくまで、

何度もやってくるそうです。

 

だから、きっと

まだそれに出会っていないだけ。

もしくは、そうだと

気がついていないだけなのかもしれません。

 

そう気がつかせてくれる場所が

きっと中学生や高校生には

必要なのかなって思います。

 

#最後に

いろいろな思いを抱えて生きている人が

この世界にはたくさんいるんだな。

 

でも、その全員と会うことできないから

本というものがあるんだなって思います。

 

人生は一度しかないけれど、

本はその一度の人生の中で

たくさんの生き様をみせてくれるものです。

 

どなたかがそうおっしゃっていました。

 

その通りだと思います。

 

特に、小説は自分の経験と照らし合わせながら

読むことができるので、

心の教養にはもってこいなのかもしれません。

 

宮下奈都さんの作品は

二作品目。

 

大学時代に哲学を専攻しておられただけあって

かなり人の心を探ってきます。

 

次、読もうかなと思っている作品も

宮下さんの作品です。

心を探られること間違いなし!

 

Fin.